研究活動

2021年7月21日(水)社会3年「わたしたちの大阪市」

 本単元では、自分たちの住んでいる市の様子をとらえ、大まかに理解することをねらいとしています。本来であれば、社会見学に出向き、実際に見たり、調べたりすることを通してねらいにせまりますが、コロナで社会見学自体が制限されたため、ICTを活用して、大阪市の地形や土地の利用について調べる活動を行いました。

<有名な建物がいっぱいの大阪>

 デジタル地図で大阪市の様子を調べる中で児童は、大阪市には、大阪城や通天閣のような全国的にも有名な建物が点在することに気づきました。そこで本時では、大阪を代表する建物である通天閣を教材化し、授業をすすめることとしました。数多くある有名な建物の中から、通天閣を選んだ意図は以下の2点です。

①通天閣は学校からも近く、通学の電車の中から毎日目にする児童もいるほど、身近なものであること。

②身近である一方、通天閣がどのような経緯で作られたか、また、そもそも何のための建物なのかも知らない児童が大半であったこと。

<なんかみたことある!なんだっけ…?>

 導入では、初代通天閣の写真資料を提示しました。授業のはじめには、通天閣の学習をすることは伝えてなかったので、児童の反応は様々でした。資料が白黒であることから時代背景に着目する児童や、人の大きさとの比較から、建物の高さを予想する児童など、個性的な読み取りでした。「どっかで見たことあるんやけどなぁ…」と首を傾げる姿も見られました。

<大阪人らしいなあ!>

 導入の写真資料が初代通天閣であることに気づいた児童は、さらに資料を調べ、次のことがらを発見しました。

〇初代通天閣は、当時から世界的に有名だったパリの凱旋門とエッフェル塔を組み合わせたデザインであること。

〇初代通天閣はテーマパークのランドマークとして建設されたこと。

〇建設当時は日本で1番高い建物であったこと。

 これらの情報から、良いものを取り入れたり、華やかで賑やかな楽しいものが好きだったりする大阪人気質は昔から変わらないことに気づくことができました。その後、戦争を経て一度は姿を消した通天閣が、市民の手によって、より高くなって再建されたことを知ると、大阪の人々の通天閣に対する愛情や思いも知ることができました。

 本時を学習する中で、大阪にある他の建物にも、人々の思いが込められているのかもしれないと気づくことができました。地図だけでは見えなかった大阪の人々の気持ちや気質についてもせまることができました。

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