研究活動

2023年9月21日(木)4年 社会「ぶどうづくりのさかんな柏原市・羽曳野市」

 本実践では、副読本に掲載されている柏原市だけでなく,栽培面積が最も多い羽曳野市での産業の様子も学習対象に加えました。大阪府のぶどうに関わる様々な人々について調べ,より多くの人々の工夫や努力について考える中で,「大阪のぶどう作りをこれからも発展させたい」という共通の願いがあり,ぶどう作りに関わる人々がお互いに協力し合って,大阪府のぶどう作りを守り続けていこうと取り組んでいることに気付せることをねらいとしました。

本時までの流れ

 本時までに児童は,なぜ柏原市でぶどうづくりが盛んなのかやぶどう畑で行われている工夫について調べました。そして,前時では柏原市のワイン醸造所であるカタシモワイナリーを調べました。その中で,カタシモワイナリーの人々が中心となって作った大阪ワイナリー協会があることを知らせました。他市のワイナリーも集まって協会を作っていることに注目させることで,「他のワイナリーはどんなことに取り組んでいるのか」「なぜライバルの会社である他のワイナリーと協力するのか」という疑問や矛盾をもたせられるようにし,本時では羽曳野市のワイナリーである「河内ワイン」を調べました。

本時の展開

 本時では導入でワインボトルの写真を見せました。児童は,資料をよく観察し,今回は「羽曳野市」で作られたワインであることに気付きました。このワイナリーで作られたワインがG20でも出されたという事実から,「羽曳野市の河内ワインではどのような工夫があるのだろうか」という疑問をもちました。そこで資料をもとに河内ワインについて調べ,様々な工夫があることに気付きました。その中で,河内ワインで作られたワインは全国で6店舗にしか置かれていないという事実を伝えると、子どもたちからは驚きの声があがりました。そこで、新たな追究課題「河内ワインのワインをお店に置かないのはなぜ?」について考えました。この課題は本時だけで解決するものではなく、次時へと繋がっていく課題です。

本時以降の展開

 次時では、ゲストティーチャーとして「河内ワイン」の方に来ていただき,その理由やワインづくりに関する思いについて話していただきました。話を聞く中で,ワインづくりに携わる人々がどのような工夫や努力,そして願いについて考えることができました。さらに大阪市にある他のワイナリーについても学習し,3つの事例から総合的に考えました。それぞれの工夫の仕方は違っていても,大阪府のぶどうづくりをこれからも発展させていきたいという思いは同じだということについて気付くことができました。

 授業後の討議会では、内発的な学習意欲を触発させる課題設定にするにはどうすればよいのかという視点が話題にあがり、児童が「でも」「ちょっと待って」と感じる資料提示や発問などの授業の仕掛けについて議論が深まりました。また、エンゲージメントについての共通理解が必要であることなど、研究を進めるうえでの新たな課題も生まれる時間となりました。

 

関連する研究活動