研究活動

2021年11月18日(木)社会5年「日本の貿易とこれからの工業生産」

 本実践では、他教科の学びを活用して調べることのできる工業製品を教材として取り上げて学習を進めました。様々な工業製品を取り上げ、単元を通して他教科の学びを活用して工業製品を調べていくことで、社会的事象をより様々な角度から分析することの素地を養うことをねらいとしました。

他教科の学びを活用して調べることのできる工業製品って…?

 本時までに、「バイオミメティクスの製品」「日本産マスクと外国産マスク」「Iotを活用したCO2チェッカー」「コロナ禍で使われているアクセシブルな製品」を教材として取り上げました。それらを、理科・算数・保健・国語などの学習と関連させることで、それぞれの教科の学びを活用しながら、調べました。

 本時では、東大阪市の文房具会社「クツワ」のコンパスを教材として取り上げました。このコンパスは、従来のコンパスと違う点が2つあります。1つ目は円を描く時持つ部分の形状が三角形になっていることです。これにより、3本の指で安定して持つことできます。2つ目はコンパスの素材です。軸足はこれまでのコンパスと同じように金属であるの対して、鉛筆をつける側がプラスチックになっています。素材の違いから生まれる重さの差を生かすことで、安定した回転を行うことができるようになっています。

コンパスをどうやって調べる?

 授業では、実際に子どもたちにコンパスを渡して調べました。子どもたちは自分の持っているコンパスと比較して観察したり、実際に使ってみたりして調べていました。子どもたちから、「分解してみたいな。」「重さはどう違うのかな?」といった声もあったので、ドライバーや電子ばかりを使って調べている子もいました。このように、自分が気になったことに合わせて多様な調べ方で調べていくことができました。

 この活動を通し、理科の学びや算数の学びを生かして調べ、このコンパスに隠された秘密について、考えることができました。また、4種類の色のパターンがあることがわかる写真を提示したことで、工業製品が機能性だけでなく、デザイン性も重視されていることにも気付くことができました。

これからのコンパスは…?

 本時の最後には、このコンパスをさらによくするアイディアについて考えました。この活動を通して、コンパスの機能性やデザイン性から、身の回りの他の文具にも視点を広げていくことをねらいとしました。考えたアイディアは次時にゲストティーチャーであるクツワの方に伝えました。

   

   

   

 授業後の討議会では、カリキュラムのあり方について、工業で今回取り組んだことが農業・水産業など、他の単元でも取り組むことで、より子どもの姿の変容が見られたのではないかということが話題に挙がり、年間を通してSTEAM教育に取り組んでいくことの大切さを再認識する機会となりました。

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