保護者専用

文楽親子劇場のお知らせ

ごあいさつ

 昭和六十二年(一九八七年)に私たちの附属天王寺小学校は創立百十周年を迎え、当時の塩川正十郎文部大臣ご臨席のもと、更に多くの方々のご祝意によって厳粛に式典が催されました。また、学童たちの総意工夫と先生方のご指導によって、楽しい記念行事の数々が盛大に催されましたその年に、第一回文楽親子劇場が、後に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される吉田簔助師匠をはじめとした出演者によって、附属天王寺小学校の講堂で開催されました。

 以降、子どもたちが在学している六年間にせめて一度は講堂での鑑賞の機会を作り、小学校での思い出の一つとなるように公演が重ねられてきました、これまで五回の公演では、時間の許す保護者の方々にもご参集いただき、親子での文楽鑑賞の形態を取っていましたが、今年は、コロナウィルス感染予防対策の観点から、講堂での鑑賞は、児童限定で行うこととなりました。現下の状況に鑑み、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。

 人形浄瑠璃文楽は、「たぐい無い価値を持つ民衆の文化的な文化の表現形式など、また人形の構造も含めて古典的様式を現在も留めている」と宣言を受け、二○○三年にユネスコにより世界無形遺産に指定されています。このように世界中からも注目された日本の伝統芸能の一つですが、実際には日頃あまり触れる機会がない疎遠なものとなっています。しかし、そのルーツをたどると、江戸中期に大阪町民文化と関連して大いに発展を遂げたものであり、近松門左衛門作品を手がけてその発展に寄与した義太夫節の始祖竹本義太夫は、ここ天王寺に生誕し、お墓も超願寺(大道一丁目、雛松会会員)にあり、小学校の立つ土地と大変ゆかりのある文化といえます。

 今回、保護者の方々には、残念ながら講堂でご鑑賞いただくことはかないませんが、文楽公演にご協力いただいている公益財団法人文楽協会のご厚意により、公演の録画と小学校ホームページでの配信につき、期間を限定して行うことができました。おそらく初めて文楽を観たであろう子どもたちの感想を聞くに留まらず、是非、ご家族全員でご鑑賞いただき、ご家庭での団らんに、親と子の会話に活かされますよう祈っています。

 

令和三年二月吉日

                                                                                    大阪教育大学附属天王寺小学校 教育後援会

                                                                                                                          同窓会 雛  松  会

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