研究活動

2020年9月8日(火) 社会6年「歴史上の人物を漢字一文字で表そう」

 今回の授業では、歴史の学習に「漢字」という視点を取り入れて授業プランを立てました。

 本時までの授業で学習した歴史上の人物は全部で11人です。まず、その中から「卑弥呼」「聖徳太子」「聖武天皇」「藤原道長」「源頼朝」を提示し「先生がこの5人を選んだのは、なぜでしょう?」と問いました。すると、「政治の中心なった人たち」や「当時の最高の地位にいた人たち」などの意見が出ました。そこで時代ごとに色分けしたテープを提示すると、それぞれの人物が活躍した時代が違い、当時の時代を代表する人物であることに気づきました。次に「占」と書かれたカードを提示し「誰を表した漢字でしょう?」と問うと「卑弥呼のことだ!」とすぐに意見がまとまりました。

 ここから、本時の課題である「歴史上の人物を漢字一文字で表そう」へつなげていきました。子どもたちは、資料集や漢字辞典を用いて、それぞれの人物を表す出来事を調べたり、それに関する漢字を調べたりしました。一人ひとりの注目点の相違が、その後の交流の場面を豊かにしていくため、この個々が調べる時間は重要な時間となります。

 交流の場では、例として提示した「占」のように、その漢字からすぐに歴史人物を特定できるものだけでなく、理由を聞いて初めて納得する漢字も多く出ました。例えば、

「変」は、争いの世からクニをまとめ平和な時代を築いたことや、不思議な力があると言われていたことから、卑弥呼。

「逸」は、「人よりも長けている」という意味があること、多くの逸話が残っていることから、聖徳太子。

というような漢字は、すぐに人物が想像できなかったのですが、理由を聞いて、「ああ!」「そうか!」と納得したり、「同じ出来事を考えたけど、選んだ漢字は違う。」と比較したりする姿が見られました。

 交流後は、「なぜ友達がそんな漢字を選んだのだろうと気になった」や「友達が選んだ漢字の理由を聞くと、その人物の見方が変わった」等の感想があがりました。

 授業後の討議では、児童が選んだ漢字を教師が把握し、分析的にみて、交流の場で適切に意見を紡いでいくことで、児童の思考の流れを整理することの大切さを再認識する機会となりました。

  

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