保護者専用

(理科)教科書を超えて

 理科の学習が始まって、3ヶ月が経過しました。3年生の理科の学習内容は、生活科で学習してきた内容と重なる点も多くあります。そのため、3年生の前半は、主に生物分野の観察が続きます。自然分野の学習で使用する道具としては、主に「虫めがね」です。これは、3年生の子どもたちにとっても、扱いやすい道具だと思います。

 それに対し、従来であれば、10月頃学習する「太陽の動きやかげのようす」について、今、この時期に学習しています。それは、季節によって変化することにも、目を向けさせたいという意図があるからです。

 夏の日差し、秋の日差し、そして、その時の気温や水温、土の温度・・・それは時間的な変化だけでなく、季節によっても変化します。もちろん、「夏は暑い」「秋になると涼しい」ということはどの子も分かっているかと思います。そのことを、観察・計測を通して、数値化し、比較し、自然の事物・現象の差異点や共通点を見出し、そこから、新たな気付きや問題発見する力を養いたいと思っています。

 しかしながら、そうなると、「温度計」や「遮光板」等、今のこの時期の子どもたちには、少しばかり扱いが難しいであろう道具を使うことになります。でも、広く深い学びのためには、少し難しい課題であったとしても、挑戦させたいと考えています。

 安全に観察・実験することは、何より大切なことです。そのために、事前指導は、きっちり行っています。でも、それでも、まだまだ3年生です。うっかり壊してしまったり、また、使い方を間違ってしまったりすることはあると思います。でも、子どもたちが、その失敗をきちんと受け止め、失敗から学び、「この点がいけなかったんだな」「次は、ここを気をつけよう」と考えることができれば、それは失敗ではなく、学びです。

 新しいことにも前向きに挑戦し、万が一、失敗してもそれを乗り越えていく集団に育ってほしいと願っています。

 そのために、保護者の皆様には、1つだけお願いがあります。それは、子どもたちの失敗について、あたたかく見守っていただきたいということです。低学年集会でもお話ししたように、「失敗した子が悪い子」でもありません。「何かを壊してしまった子が悪い子」でもありません。集団として、正しく育っていくために、私は指導者として、注意もします。それは、同じような失敗を繰り返してほしくないからです。また、お友だちが注意されていることから、まわりの子どもも学ぶ琴ができます。でも、「注意された子が悪い子」でも、ありません。

 これから、子どもたちが、いろんなことに挑戦していくためには、保護者の方々には、子どもたちのつまずきをあたたかく見守って頂くことが、必須条件です。でなければ、こちらも、挑戦させることなく、教科書通り、絶対に失敗しないように授業を進めていかなくてはいけなくなってしまいます。

 いっぱい失敗してもごっきげん・・・これは、145期の子どもたちへのメッセージですが、同時に保護者の皆様へのメッセージでもあります。

 145期の子どもたちが「学年集団」として、失敗しながらも、前へ進もうとする姿を見守り、応援すること・・・これが、保護者の方にお願いしたいことです。あたたかい目で、子どもたちを見守っていただきますよう、お願いいたします。

(理科担当:國光)

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