理科:はじめての実験
3年生
今日は、「風の力が変わると、車が進む距離が変わるか」という実験を行いました。理科の学習で初めての実験です。教科書では、送風機の風が「弱いとき」と「強いとき」で比べます。
対して、本実践では、「うちわ」と「送風機」を使って、実験を行い、かつ、ひとりそれぞれ3回ずつ実験を行いました。(どのような実験を計画しているのかは、ノートをご覧ください。)
3年生のこの段階では、どうしても「より長い距離を進めたい」という気持ちが勝ってしまい、うちわを持つと、3回実験を行うと、どんどん記録が伸びていく場合が、あります。それは、「ちょっとでも記録を伸ばしたい」「もっと遠くまで進めたい」と、うちわで、無理やりにでも、風を送ってしまうからです。また、決められた送風機の角度を変化させて、同じように記録を伸ばそうとしてしまうことも、珍しいことではありません。
しかしながら、理科の学習では、進んだ距離の記録を競っているわけではなく、あくまでも、正確に実験をすることが、目的です。その目的を見失ってしまうと、昔からよく言われているような「活動あって学びなし」という授業に陥ってしまいます。
子どもたちには、『「たくさん進んだ!」「楽しい!」だけでなく、3回調べてみて、3回とも同じくらいの数値になっているならば、それは実験が成功したってことだよ。理科では、できるだけ、正確に実験をすることが大切なんだよ。」と話しました。今日は、自分の実験結果をノートに書いていますので、その結果をご覧になれば、お子さんの実験が成功しているかどうか、すぐにわかると思います。
とはいえ、失敗しているからといって、それがダメなのではありません。現に「先生、なんか2回目の結果がおかしかった。何が原因だろう?」「3回とも結果が、ばらばらだったのは、もしかしたら、測り間違いかも。」等と、結果を考察している姿もたくさん見られました。このように、失敗から学ぶこともたくさんあります。これは、失敗したからこその、学びであり、教科書だけでは学ぶことができない、価値ある学びです。(教科書では、すべての実験が成功していますから。)
明日の実験が終わったら、クラスみんなで考える場を設けたいと思っています。
また、実験の回数が多くなると、途中、ふざけてしまう子もでてきてしまいます。でも、「ちゃんと最後まで調べたい。」「きちんとやりたい。」という思いを持っている子もいます。
このような時、『先生から「ちゃんとやりなさい。」と注意されるのではなく、自分たちで考え判断して、「ちゃんとやろう!」「がんばろう!」という雰囲気を作り出すことが大切だよ。もし、それができないのであれば、先生が全部指示するよ。それは、みんなにとって、楽しいかな?』とも問いかけました。
授業には、「模倣的様式」と「変容的様式」があります。前者は、「文化の伝達・伝承を実践すること」、後者は、「思考の態度や探究の方法を形成すること」を、ねらいとしています。小学生の子どもたちには「模倣的様式」を通して「できること」を増やすことも大切ですが、それだけでなく、「変容的様式」を通して「わかること」を追求することも重視したいと考えています。
これから、「もっと調べたい。」「こんな時は、どうなんだろう?」と、自ら学ぶ姿を発揮し、みんなで学ぶ楽しさを味わう雰囲気をつくりだすことのできるよう、指導と支援を行っていきたいと思います。
学校にお越しの際は、理科室のようすもご覧ください。
(理科担当:國光)