2020年11月5日(木)算数1年「20より大きい数」
算数科
「教科横断的な視点」を取り入れている今年度の研究授業として、今日の授業では、「漢数字」や「数字の読み方」という視点を取り入れて授業プランを立てました。
ふだん、当たり前のように「じゅうさん」と発話していますが、書くときは「13(いちさん)」と書き、「10(じゅう)3(さん)」とは書きません。でも、漢字で書くと「十(じゅう)三(さん)」と書きます。この当たり前として、書いている数の表し方の矛盾に気づかせ、そこに潜んでいるきまりを考えていくことをねらいとしました。
私たちは、何気なく、10進法を使って数を表記していますが、そこには「10のまとまりで数を見る」「0~9の数字を用いて数を表記する」というきまりが、潜んでいます。その当たり前と思っていることを深く追究することは、「命数法」と「記数法」の矛盾に気づく課題を発見する力や、「2進法」「3進法」という数の見方の素地を養うことにつながります。
「あれ???『じゅうさん』って言ってるんだから、『10(じゅう)3(さん)』って書くんじゃないのかな?『じゅうはち』って言ってるんだから、『10(じゅう)8(はち)』って書くんじゃないのかな?」と問うと、「えええええ~!」「ちーがーう!!」と、大合唱。でも、違うことは分かっても、当たり前と思っていることを改めて問われても、説明することは、とても難しい課題です。
ここで、「数を数字で表すときには、どんなきまりがあるのかな?」という、本時の課題を提示しました。子どもたちは、「え?わからない!」「難しい・・・。」「昔の人が決めたことだから・・・。」と戸惑いと混乱を表しました。
でも、子どもたちは、ちゃんと、ここでは終わりませんでした。
「この4人は、分からないチームです!」と明るく話したり、ノートに「わからない」と書いて表現したり、また、わからない中でも、なんとか図や言葉を使って考えたり、前で説明する友だちの話を聞いたり、わからないことをわかろうとする姿が見られました。
これまでの2年間、拡張的学習の研究を進めてきた私たちは、子どもたちの学びが、協働的・共感的、そして挑戦的なものとなるよう、課題を設定しています。本時では、「わからないことに気づき」「わからない自分を認知し」「わかろうとする」子どもたちの学びの姿が見ることができました。
授業後の討議会は、「数学の文化を追体験する授業」の実現のためには、事前の教材研究の深さが重要であること、また、「学び合う学級文化」の構築のためには、ルールや分業を意識したコミュニティの形成が重要であること、を改めて実感する場となりました。