2021年11月4日(木)理科4年「ものの温度と体積」
STEAM
第4学年でのこの学習では、「空気⇒水⇒金属」という順で、温度の違いによる体積変化を調べていくのが一般的だが、本実践では、「空気と水を同時に」比較しながら調べていくことで、指導時数を削減し、単元末に『ものづくり』を行う時間を確保した。
理科で取り扱う学習教材では、「おもちゃ」を作るように工夫されているものも多く、子供たちはこれまでにも、「電気のはたらきをいかしたおもちゃ」や「とじこめた空気や水の性質をいかしたおもちゃ」等をつくる経験はしてきている。
対して、本実践で行う『ものづくり』は、自分たちでアイデアを出し、設計図をかき、材料を用意することが必要になる。簡単につくることができない、また、最終的にはうまくいかないことも想定できる本実践では、「できないことも楽しむ」「何度も挑戦することを楽しむ」子供の育成もめざした。
そこで、今回は、”浪速のエジソン”と呼ばれている大阪府在住:木原健次さんとその発明品を紹介し、「発明すること自体を楽しむこと」「うまくいかなくても、そこに学びがあること」を伝え、「子供らしいアイデア」や「遊び心」を大切にしていくという方向性を共有した。(学びの文化づくり)
その結果、子供たちから、発想豊かな多様なアイデアが出てきた。そして、それぞれのアイデアについては、事前にロイロノートを活用し、学年全員が閲覧することができるようにした。また、最終的に何をつくるかを決定する際には、アイデアカード(簡単な設計図)を掲示し、「1人でつくるか」「2,3人のグループでつくるか」を選択するようにした。(「同じ目的の友だちがいるかどうか」「何をつくるかどうか」「どうやってつくるかどうか」の3つの判断)
また、事前に身近な材料を集め、整理整頓することで、子供たちが「つくりたいもの」を「つくりやすい環境」を整えた。必要であれば一緒に考えたり、協働的に学ぶ雰囲気をつくりだすことは、指導者の大きな役割だと考える。(場設定の工夫)
さらに、毎回、授業の最後には、試作段階の発明品の写真を撮り「困ってること」「必要な物」をロイロノートにて記録し、全員で共有できるようにした。これにより、「子供たちが何に困っているのか」をみとることができるとともに、同じような課題を抱えている子供同士の「橋渡し」の役割を担うことができた。(ICT機器の効果的な活用)
授業後の討議会では、「本単元に至るまでの指導計画の工夫」「自由な発想と活動をじつげんするための集団の文化形成」の重要性を改めて確認することができました。