研究活動

2020年10月8日(木)社会4年「自然災害から命とくらしを守る」

 本実践では、社会と音楽を教科横断的に取り組むことで、それぞれの見方・考え方が広がったり、深まったりすることをねらいとし、授業を計画しました。

 本時で取り扱った資料は、「緊急地震速報のチャイム」です。緊急地震速報のチャイムは、作成者が避難する上で大切だと考えた5つの視点をもとに作られています。たとえば、使われている5つの音は、「緊急性を感じさせるか」ということや「不快感や不安感を与えないか」といった視点で選ばれています。

 緊急地震速報のチャイムを(明るい響きに変えたもの)や(テンポを遅くしたもの)と比較して聴き、感じ方がどのように変わるかということを話し合いました。チャイムの音を聴き比べていくこと中で、「ゆっくりになると焦らないから、避難のチャイムには向かないなぁ。」「明るい響きだと、楽しい気分になるから急いで逃げないといけない気持ちにはならない。」ということを考えていました。

 そして、それを踏まえて、作成者はどうして5つの視点をもってこのチャイムを作ったのかということを考えました。授業を通して児童は、音によって人々に与える印象が変わることや、1つのチャイムを作る際に、「聞きやすさ」だけでなく、「緊急性を感じさせつつ、不安をあおらないように工夫されていること」にも気づいていくことができました。

 授業後の討議会は、単元全体を見通して授業をデザインしていくことが、授業内容を深めていくことにつながること、また、そのために、子どもたちが「知っているつもり」と思っている素朴概念を覆すような問いかけや資料が必要であることを考え直す場となりました。

   

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