2024.11.28.5年国語「どうして人は名作を読むのか」
国語科
<本実践での主張点>
文部科学省は,人文学を「(精神的価値,歴史時間及び言語表現に関する)世界の知的領有」と「知識についてのメタ知識」であると定義している。(2008 学術研究推進部会 人文学及び社会科学の振興に関する委員会 第 11 回配付資料より)
そこで,本単元では,「どうして人は名作を読むのか」と単元目標を設定し,宮沢賢治の「注文の多い料理店」の物語から学習
を通して自分なりの解釈を深めていくことができるよう単元を設定した。2024 年の本年で初出から 100 周年となったこの物語を「長い間読み継がれてきた名作の一つ」と定義し,学習を進める中で子どもたちが「物語の特徴やよさ」について「名作を読む理由」とともに自分なりの解釈をもつ力を育てていく。
本教材「注文の多い料理店」は,設定や結末,色や順序など出てくる事物の中に象徴的な物が多く,子どもたちが物語について疑問を持ちやすい教材である。そこで,物語についての疑問から「みんなで話し合ったらおもしろそうな疑問」と価値付けした「たからものとなる疑問」を見つけさせ,解決させることから自分なりの解釈をもたせていく。まず,「―のに,どうして―は―?」「―と書かれているのに,どのくらい―は―?」という型から物語を読んで疑問となるものを見つけていく。そして,出てきた疑問を共有し,その内容について評価と検討を行っていく。疑問の種類と段階を「みんなで話し合ったらおもろそうな疑問」「調べたらおもしろそうな疑問」「共感する疑問」「答えがすぐ出る疑問」「答えが出ない疑問」と提示することで,子どもたちが話し合いながら考えて物語を理解し,疑問を更新しながら,自分の考える「名作を読む理由」について,単元を通して文章にしてまとめていくことができるようにしたい。
<実際の授業のようす(板書)>